Excel には新しいワークシート関数がどんどん追加されています。
「2022年8月」アップデートで一般公開された Excel の新関数を一覧で紹介します。追加された14の新関数についての詳しい情報は別途記事として掲載予定です。それまでインデックスできるようここにまとめておきたいと思います。
各関数の詳しい使い方やポイントなどについては、別途紹介記事を少しづつ掲載していきます。ひとまず、今回は関数名と概略的なことだけ紹介します。
【この記事でわかることは】
・新しく追加されたExcel関数の名称と概略
はじめに
Excel に新しい関数が追加されるプロセスは、公開前に「Office Insider Program」に追加され、そこでテストされたのちに一般公開されます。一般公開されるのは、サブスクリプション版の「Microsoft 365」アプリ「Excel for Microsoft 365」やWeb版です。永続ライセンス版へのバージョンアップによる提供は原則ありません。次期永続ライセンス版の新バージョンとして発売させる際に提供されることになると思います。※次期永続ライセンス版についての情報は未定です。
このプロセスを見ても、マイクロソフトはサブスクリプション版への移行に力を入れていることがわかります。新関数をはじめとする最新の機能を使いたい場合は「Microsoft 365」への移行を検討されてみてはいかがでしょうか。
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追加された新しいExcel関数の概略(機能別)
以下、Microsoftサポート の「Excel 関数 (機能別)」ページを参照して、追加されている新しい関数の概略だけ紹介します。詳しい説明については、記事を追加次第リンクを設定しますのでそちらを参照してください。
※ ここで紹介する関数は、すべて Microsoft 365 と Web版 で利用できます。
文字列関数
文字列を操作するための関数です。
TEXTAFTER 関数
対象文字列の「指定された文字または文字列」より後にある文字列を返します。
詳しくは「TEXTAFTER関数 指定した文字より後の文字列を返す」をご覧ください。
TEXTBEFORE 関数
対象文字列の「指定された文字または文字列」より前にある文字列を返します。
詳しくは「TEXTBEFORE関数 指定した文字より前の文字列を返す」をご覧ください。
TEXTSPLIT 関数
列区切り記号と行区切り記号を使用して文字列を分割します。
区切り位置指定ウィザードのような動作をこの関数で行うことができます。
詳しくは「TEXTSPLIT関数 区切り文字でテキストを列と行に分割できる」をご覧ください。
検索/行列関数
セル範囲や配列の行や列を操作したりすることができる関数です。
CHOOSECOLS 関数
配列(セル範囲)の中から「指定された列を取り出して新しい配列」を返します。
詳しくは「CHOOSECOLS関数 配列(セル範囲)から列を選んで取り出す」をご覧ください。
CHOOSEROW 関数
配列(セル範囲)の中から「指定された行を取り出して新しい配列」を返します。
詳しくは「CHOOSEROWS関数 配列(セル範囲)から行を選んで取り出す」をご覧ください。
DROP 関数
配列(セル範囲)の先頭または末尾から「指定した数の行または列」を除外した新しい配列(セル範囲)を返します。ヘッダーとフッターを削除して、データのみを返す場合などに役立ちます。
詳しくは「DROP関数 配列の先頭または末尾から指定の行数と列数を除外する」をご覧ください。
※TAKE関数と反対の動作をする関数です。
TAKE 関数
配列(セル範囲)の先頭または末尾から、指定した数の連続する行と列を抜き出して新しい配列(セル範囲)で返します。※DROP関数と反対の動作をする関数です。
詳しくは「TAKE関数 配列の先頭または末尾から指定の行数と列数を取り出す」をご覧ください。
EXPAND 関数
配列(セル範囲)を指定した行と列の大きさに拡張して新しい配列(セル範囲)で返します。指定したデータで空セルを埋めることも可能です。
詳しくは「EXPAND関数 セル範囲(配列)を指定サイズに拡張して返します」をご覧ください。
HSTACK 関数
配列(セル範囲)を引数順に水平(横)方向に連結して新しい配列(セル範囲)で返します。
詳しくは「HSTACK 関数 セル範囲(配列)を水平方向に連結して返す」をご覧ください。
VSTACK 関数
配列(セル範囲)を垂直(縦)方向に積み重ねて連結し新しい配列(セル範囲)で返します。
詳しくは「VSTACK 関数 セル範囲(配列)を水直(縦)方向に連結して返す」をご覧ください。
TOCOL 関数
配列(セル範囲)を1つの列の配列で返します(配列を縦1列にします)。配列の値は行順か列順かを指定できます。
詳しくは「TOCOL 関数 セル範囲(配列)を縦1列の配列で返す」をご覧ください。
TOROW 関数
配列(セル範囲)を1つの行の配列で返します(配列を横1行にします)。配列の値は行順か列順かを指定できます。
詳しくは「TOWOW 関数 セル範囲(配列)を横1行の配列で返す」をご覧ください。
WRAPCOLS 関数
1行または1列のセル範囲(1次元配列)を指定した要素数で「列」を折り返して新しい配列にします。
詳しくは「WRAPROWS関数/WRAPCOLS関数 折り返した配列を作成」をご覧ください。
WRAPROW 関数
1行または1列のセル範囲(1次元配列)を指定した要素数で「行」を折り返して新しい配列にします。
詳しくは「WRAPROWS関数/WRAPCOLS関数 折り返した配列を作成」をご覧ください。
使っているExcelで新しい関数が使えるのか確認する方法
今使っているExcelで次のようにやってみてください。
数式オートコンプリーで確認する
Excel で数式を作成する際の入力支援機能[数式オートコンプリート]と呼ばれる機能で確認するのが一番簡単です。
次の画像は「XLOOKUP関数」を入力しようとしているところを表示しています。
[数式オートコンプリート]とは、セルで「=」+「最初の一文字」を入力したところで関数の候補が表示される機能のことです。
この段階で、目的の関数が表示されていればその関数を使えるということです。
[数式オートコンプリート]機能が動作しない場合
[数式オートコンプリート]機能が動作しない場合は、「Excelのオプション設定」が有効になっていないことが原因と思われます。
次の画像のとおり「Excelのオプション設定」で有効になっているかどうか確認してください。
【ショートカットキーで切り替える方法】
[Alt]+[↓]キーで[数式オートコンプリート]のオン/オフを切り替えることができます。
[数式オートコンプリート]機能で目的の関数が表示されない場合は、Excelが対応していないバージョンということになります。
新しい関数が使えないExcelで開いたときどうなるのか
新しく追加されたXLOOKUP関数やLET関数などを使ったブックを、対応していないバージョンのExcelで開いたらどうなるのでしょうか。ここが一番気になるところだと思います。
残念ながら画像は掲載できませんが、自宅で新関数を使って作成したExcelを職場のExcel2016(機能拡張なし)で開いてみたところ次のような動作となりました。
・【Excelを開いた段階】
関数が設定されているセルのデータは保存時の計算結果を保持したまま表示されました。
・【データ更新すると】
値を変更したり、数式を入力し直したり、再計算などでデータを更新すると、
関数のセルは「#NAME?」エラー表示となりました。当然といえば当然ですよね(^^;
でも、セル内に設定した関数を確認してみたところそのままの状態で残っています。
つまり死んでしまったわけではないので、対応しているExcelで開けば計算できる状態です。
まとめ(おわりに)
以上「2022年8月」アップデートで一般公開された Excel の新関数について一覧で概略だけ紹介しました。各関数の詳しい解説については、順次行うようにしていきます。その際は、記事内にリンク設定しますのでそこからアクセスしてください。それまでしばらくお待ちください。
まだExcelが対応していない方でも、いずれは使うことになる関数です。
しかも、今までのExcel関数の常識を変えてしまうような高機能関数ですので、事前に勉強しておく価値は高いと思いますよ(^^)/
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