Excel には新しいワークシート関数がたくさん追加されています。ただし、随時追加されてきたのはサブスクリプション版の「Microsoft 365」アプリ「Excel for Microsoft 365」だけでした。
でも、Windows11の発売と同時に、この先行導入されていた関数などの機能を追加された永続ライセンス版「Office 2021」が発売されました。
追加されてきた関数は「XLOOKUP」「XMATCH」「LET」「MAXIFS」「MINIFS」「IFS」「SWITCH」「CONCAT」「TEXTJOIN」などのほか
動的配列関数「FILTER」「SORT」「SORTBY」「UNIQUE」「SEQUENCE」「RANDARRAY」
などが使えるようになりました。※赤字黄色下線の関数が2021に追加された関数
新関数には新機能の「スピル」が使われています。「スピル」機能によって数式の常識が変わりました。これまではセルに数式を入力すると、そのセルに計算結果の値を表示するというのがこれまでの常識でした。この「スピル」についても改めて詳しく解説することとします。
でも、これらの関数って今職場でつかっているPCのExcelでは
まだ使えませんよね(-_-;)
でも前段のとおり、Windows11や永続ライセンス版のOffice2021が発売されたことを考えると、Microsoftとのライセンス契約がいつ変更されてもおかしくないですよね。だから、今のうちに新しい高機能な関数のことを知っておくのは大事なことだと思います。
そうですね。知っているだけでも
導入されたときにすぐ対応できるようになれるかもしれませんね(^^ゞ
それぞれの関数について、使い方やポイントなどを少しづつ紹介していきますね。
ひとまず、今回は関数名と概略的なことだけ紹介します。
【この記事でわかることは】
・追加されている新しい関数の概略
・使っているExcelで新しい関数が使えるかどうか確認する方法
・新しい関数を関数が使えないExcelで開いたときどうなるのか
XLOOKUPなど新しいExcel関数の概略(機能別)
以下、Microsoftサポート の「Excel 関数 (機能別)」ページを参照して、追加されている新しい関数の概略だけ紹介します。
詳しい説明については、記事を追加次第リンクを設定しますので参照するようにしてください。
論理関数
IFS 関数
1 つまたは複数の条件が満たされるかどうかをチェックして、最初の TRUE 条件に対応する値を返します。従来のIF関数でネストを使う方法を1つの関数で表すことができます。※2019で追加
詳しくは「IFS 関数 複数条件を練ると無しで判定できます」をご覧ください。
SWITCH 関数
値の一覧に対して式(引数として指定された複数の値)を評価し、最初に一致する値に対応する結果を返します。 いずれにも一致しない場合は、任意指定の既定値が返されます。※2019で追加
詳しくは「SWITCH 関数 値に対応する結果を返す新しい条件分岐の関数」をご覧ください。
検索/行列関数
FILTER 関数
データ範囲(指定したセル範囲)から、条件に一致するデータだけを取り出すことができます。
詳しくは「FILTER関数の使用例(ワイルドカードを使う方法も解説)」をご覧ください。
SORT 関数
範囲または配列の内容(データ)を指定の順で並べ替えて取り出します。
詳しくは「SORT 関数 指定範囲のデータを並べ替えてスピル配列で取り出す」をご覧ください。
SORTBY 関数
範囲または配列の内容(データ)を、対応する範囲または配列の値に基づいて並べ替えます。複数の範囲を基準として並べ替えたうえで取り出します。
詳しくは「SORTBY関数で複数の基準を同時に指定して並べ替える」をご覧ください。
UNIQUE 関数
一覧または範囲内の一意の値の一覧を返します。重複するデータを1つにまとめたり、1回だけ現れるデータを取り出したりすることができます。
詳しくは「UNIQUE 関数 セル範囲から一意の値を取り出す」をご覧ください
XLOOKUP 関数
表や範囲または配列を行ごとに検索し、最初に見つかった一致に対応する項目(別の列の同じ行)を返します。 一致するものがない場合、XLOOKUP は最も近い (近似) 一致を返します。VLOOKUP関数の機能を大幅に拡張した凄い関数です。
もう少し詳しい内容は「XLOOKUP 関数はすごい! 使用例も少しだけ解説しています」の記事をご覧ください。
XMATCH 関数
指定したセルの配列または範囲内で、検索したいセル(値)の相対的な位置を返します。MATCH関数の拡張版です。
詳しくは「XMATCH 関数 セル範囲(配列)から検索値の相対位置を返す」をご覧ください。
数学/三角関数
LET 関数
数式の計算結果や値に名前を付けて、関数内でその名前を利用した計算を行うことができます。
詳しい解説は「LET 関数 名前に数式や値を定義して関数内で再利用する」をご覧ください。
LAMBDA 関数
VBAなしでカスタム関数(ユーザー定義関数)をブック上で作成することができる関数です。作成した独自関数は、数式をコピーして貼り付ける必要がなくネイティブの Excel 関数ライブラリに効果的に追加できます。 ※365(2022/2/8一般公開)、Web版でも利用できるようになりました。
詳しくは「LAMBDA 関数 VBAなしでカスタム関数を作成できる」をご覧ください。
RANDARRAY 関数
0 から 1 までのランダムな数値の配列を返します。 ただし、入力する行と列の数、最小値と最大値、および整数または 10 進数の値を返すかどうかを指定できます。
詳しくは「RANDARRY 関数 乱数の配列をスピルで返す」をご覧ください。
SEQUENCE 関数
1、2、3、4 など、配列内の連続した数値の一覧を生成します。
詳しくは「SEQUENCE 関数 連続した数値の配列を生成する」をご覧ください。
統計関数
MAXIFS 関数
複数の条件に一致する範囲に対応するデータの中から最大値を返します。※2019で追加
詳しくは「MAXIFS/MINIFS 関数 複数条件で最大値/最小値を取得」をご覧ください。
MINIFS 関数
複数の条件に一致する範囲に対応するデータの中から最小値を返します。※2019で追加
詳しくは「MAXIFS/MINIFS 関数 複数条件で最大値/最小値を取得」をご覧ください。
文字列関数
ARRAYTOTEXT 関数
配列(指定したセル範囲のテキスト値の配列)を文字列で返します。 テキスト値は変更せずに渡し、テキスト以外の値をテキストに変換します。※365とWeb版で利用できます。
詳しくは「ARRAYTOTEXT関数 配列(セル範囲)を文字列に変換する」をご覧ください。
CONCAT 関数
複数の範囲や文字列からのテキストを結合しますが、区切り記号または IgnoreEmpty 引数は提供しません。CONCATENATE関数との違いは引数としてセル範囲を指定できることです。※2019で追加
詳しくは「CONCAT 関数 文字列の連結をセル範囲で指定できる」をご覧ください。
TEXTJOIN 関数
複数の範囲や文字列からのテキストを結合し、結合する各テキスト値の間に、指定した区切り記号を挿入します。 区切り記号が空の文字列の場合は、範囲が連結されます。※2019で追加
詳しくは「TEXTJOIN 関数 文字列連結で区切り文字挿入するならこれ」をご覧ください。
VALUETOTEXT 関数
指定された任意の値(セル値)からテキストを返します。 テキスト値は変更せずに渡し、テキスト以外の値をテキストに変換します。※365とWeb版で利用できます。
詳しくは「VALUETOTEXT関数 単一セルの値を文字列として返す」をご覧ください。
使っているExcelで新しい関数が使えるかどうか確認する方法
ExcelやOfficeのバージョンを全部解説するのは面倒なので、今使っているExcelで次のようにやってみてください。
数式オートコンプリーで確認する
Excel で数式を作成する際の入力支援機能[数式オートコンプリート]と呼ばれる機能で確認するのが一番簡単です。
次の画像は「XLOOKUP関数」を入力しようとしているところを表示しています。
[数式オートコンプリート]とは、セルで「=」+「最初の一文字」を入力したところで関数の候補が表示される機能のことです。
この段階で、目的の関数が表示されていればその関数を使えるということです。
[数式オートコンプリート]機能が動作しない場合
[数式オートコンプリート]機能が動作しない場合は、「Excelのオプション設定」が有効になっていないことが原因と思われます。
次の画像のとおり「Excelのオプション設定」で有効になっているかどうか確認してください。
【ショートカットキーで切り替える方法】
[Alt]+[↓]キーで[数式オートコンプリート]のオン/オフを切り替えることができます。
[数式オートコンプリート]機能で目的の関数が表示されない場合は、Excelが対応していないバージョンということになります。
新しい関数が使えないExcelで開いたときどうなるのか
新しく追加されたXLOOKUP関数やLET関数などを使ったブックを、対応していないバージョンのExcelで開いたらどうなるのでしょうか。ここが一番気になるところだと思います。
残念ながら画像は掲載できませんが、自宅で新関数を使って作成したExcelを職場のExcel2016(機能拡張なし)で開いてみたところ次のような動作となりました。
・【Excelを開いた段階】
関数が設定されているセルのデータは保存時の計算結果を保持したまま表示されました。
・【データ更新すると】
値を変更したり、数式を入力し直したり、再計算などでデータを更新すると、
関数のセルは「#NAME?」エラー表示となりました。当然といえば当然ですよね(^^;
でも、セル内に設定した関数を確認してみたところそのままの状態で残っています。
つまり死んでしまったわけではないので、対応しているExcelで開けば計算できる状態です。
まとめ(おわりに)
以上、XLOOKUPなど知っておきたい新しいExcel関数についての概略情報でした。
各関数の詳しい解説については、順次行うようにしていきます。その際は、記事内にリンク設定しますのでそこからアクセスできるように設定していく予定ですので、しばらくお待ちください。
まだExcelが対応していない方でも、いずれは使うことになる関数です。
しかも、今までのExcel関数の常識を変えてしまうような高機能関数ですので、事前に勉強しておく価値は高いと思います(^^)/
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